皆さんこんにちは、ajiroです。
今回はサフを吹くことで何番のヤスリ傷を消せるのかを検証しました。
- はじめに
- 実験方法
- サフを吹かない場合の傷消し能力
- サーフェイサーエヴォの傷消し能力
- Mr.サーフェイサー500の傷消し能力
- Mr.プライマーサーフェイサー1000の傷消し能力
- Mr.フィニッシング サーフェイサー1500の傷消し能力
- つや消し水性ホビーカラーの傷消し能力
- まとめ
- 最後に
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はじめに
サフを吹けば何番のヤスリ傷が消えるのかは、私を含め多くのモデラ―が気になることだと思います。
そこで今回は4種類のサフを使い、傷消しの能力を検証したいと思います。サフ自身の傷消し能力を検証するだけでなく、サフの上に塗装をして更にトップコートを行った後の傷も観察してみます。
実験方法
今回は神ヤスの#240~#1000を使ってプラ板を磨き、その上に塗装をすることで傷消し能力を検証します。
神ヤスは新品ではなく、慣らしをして砥粒を整えたものを使用しました。
下図のように上下左右斜めの8方向にまんべんなくヤスリをかけて、極力傷が残らないようにしました。
使用するサフ
使用するサフは以下の4つです。
- ガイアノーツサーフェイサーエヴォ
- Mr.サーフェイサー500
- Mr.プライマーサーフェイサー100
- Mr.サーフェイサー1500(※)
※Mr.サーフェイサー1500はブラックとホワイトを所持していますが、傷を確認しにくいので、双方を混ぜて疑似的なグレイのサフを作って検証を行います。
比較のために、つや消しグレイの塗料の傷消し能力も観察します。
水性ホビーカラーのつや消しホワイトにブラックを少量混ぜて、サフの色に近いグレイを作りました。
各番手でヤスリをかけたプラ板の左1/3をマスキングして、サフとグレイの塗料で下塗りします。
希釈率はサフは1:1.5、水性ホビーカラーは1:1です。エア圧は0.15MPaで2回塗装しました。
マスキングテープを剥がした後、プラ板の下1/3をマスキングして塗装します。
私は普段半光沢で塗装することが多いので、塗料は水性ホビーカラーのネイビーブルーを使用しました。希釈率は下塗りと同様に1:1で、エア圧は0.15MPaで2回吹き付けました。
あらかじめ希釈してドロッパーボトルに入れてあります。(とても便利)
乾燥後、240番と400番でヤスリがけしたプラ板を更にマスキングして、1/3をH20のつや消しクリアを吹き付けました。
600番以上でヤスリをかけたプラ板は、ネイビーブルーを塗った時点で全ての傷が消えていたので、つや消しクリアは吹きませんでした。
全てのプラ板を塗り終えました。(結構大変でした。)
プラ板の状態は以下の通りです。
プラ板に残った各面の傷を確認して、傷消し能力を比較します。
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サフを吹かない場合の傷消し能力
初めにサフを吹かない場合の傷の消え具合を確認するために、各プラ板の上部を観察します。
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板にH54を直接塗装すると…
- 塗装面の傷は残っています。(A)
- 塗装後に、つや消しクリアを吹いた面の傷も残っています。(B)
400番
400番の神ヤスで磨いたプラ板にH54を直接塗装すると…
- 塗装面の傷は残っています。(A)
- 塗装後に、つや消しクリアを吹いた面の傷は消えました。(B)
600番
600番の神ヤスで磨いたプラ板にH54を直接塗装すると…
- 塗装面の傷は消えました。(A)
サーフェイサーエヴォの傷消し能力
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板を、サーフェイサーエヴォで下塗りすると…
- サフを吹いた面の傷は若干残っています。(①)
- サフの上に塗装した面の傷は消えました。(②)
- サフの上に塗装して、更につや消しクリアを吹いた面の傷は消えました。(③)
400番
400番の神ヤスで磨いたプラ板を、サーフェイサーエヴォで下塗りすると…
- 全ての面の傷は消えました。(①~③)
Mr.サーフェイサー500の傷消し能力
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板を、Mr.サーフェイサー500で下塗りすると…
- 全ての面の傷は消えました。(①~③)
Mr.プライマーサーフェイサー1000の傷消し能力
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板を、Mr.プライマーサーフェイサー1000で下塗りすると…
- サフを吹いた面の傷は若干残っています。(①)
- サフの上に塗装した面の傷は消えました。(②)
- サフの上に塗装して、更につや消しクリアを吹いた面の傷は消えました。(③)
400番
400番の神ヤスで磨いたプラ板を、Mr.プライマーサーフェイサー1000で下塗りすると…
- 全ての面の傷は消えました。(①~③)
Mr.フィニッシング サーフェイサー1500の傷消し能力
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板を、Mr.フィニッシング サーフェイサー1500で下塗りすると…
- サフを吹いた面の傷は若干残っています。(①)
- サフの上に塗装した面の傷は消えました。(②)
- サフの上に塗装して、更につや消しクリアを吹いた面の傷は消えました。(③)
400番
400番の神ヤスで磨いたプラ板を、Mr.フィニッシング サーフェイサー1500で下塗りすると…
- 全ての面の傷は消えました。(①~③)
つや消し水性ホビーカラーの傷消し能力
240番
240番の神ヤスで磨いたプラ板を、つや消しの水性ホビーカラーで下塗りすると…
- 下塗り面の傷は若干残っています。(①)
- 下塗りの上に塗装した面の傷も若干残っています。(②)
- 下塗りの上に塗装して、更につや消しクリアを吹いた面の傷は消えました。(③)
400番
400番の神ヤスで磨いたプラ板を、つや消しの水性ホビーカラーで下塗りすると…
- 全ての面の傷は消えました。(①~③)
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まとめ
全ての結果を下の表にまとめます。
傷を消せたら〇、消せなかったら×で表しました。
傷消し能力
↓下塗り 番手→ | #240 | #400 |
---|---|---|
Mr.サフ500 | 〇 | 〇 |
Mr.プラサフ1000 | × | 〇 |
Mr.サフ1500 | × | 〇 |
サフEVO | × | 〇 |
つや消し塗料 | × | 〇 |
今回の条件において、Mr.サーフェイサー500は240番のヤスリ傷を消せましたが、表面がザラついてしまいました。サフを後で研ぐよりも、塗装前に下地を400番で磨いた方が楽なので、Mr.サーフェイサー500は使いどころを選びそうです。
その他のサフは400番の傷を消すことが出来ました。ただし、比較用のつや消し塗料にもサフ同様の傷消し能力がありました。塗料の表面はサフより薄くなめらかなので、繊細に仕上げたい場合は下塗りに塗料を使用した方がいいかもしれません。
半光沢で塗装する場合
↓下塗り 番手→ | #240 | #400 | #600 |
---|---|---|---|
Mr.サフ500 |
〇 | 〇 | 〇 |
Mr.プラサフ1000 | 〇 | 〇 | 〇 |
Mr.サフ1500 | 〇 | 〇 | 〇 |
サフEVO | 〇 | 〇 | 〇 |
つや消し塗料 | × | 〇 | 〇 |
なし | × | × | 〇 |
サフを吹いた後に半光沢の水性ホビーカラーで塗装すると、240番のヤスリ傷を消せました。比較用のつや消し塗料では240番の傷を消せなかったので、傷消しの能力は若干サフの用が強いようです。
サフを吹かない場合、半光沢の水性ホビーカラーは600番のヤスリ傷を消せました。
半光沢で塗装後に、つや消しクリアを吹く場合
↓下塗り 番手→ | #240 | #400 |
---|---|---|
Mr.サフ500 | 〇 | 〇 |
Mr.プラサフ1000 | 〇 | 〇 |
Mr.サフ1500 | 〇 | 〇 |
サフEVO | 〇 | 〇 |
つや消し塗料 | 〇 | 〇 |
なし | × | 〇 |
下塗り後に半光沢の水性ホビーカラーで塗装して、更につや消しクリアを吹くと、240番のヤスリ傷を消せました。
サフを吹かない場合、半光沢の水性ホビーカラーの上につや消しクリアを吹くと、400番のヤスリ傷を消せました。
最後に
今回はサフの傷消し能力を検証しました。当初の予想以上に傷が消えたのは驚きでした。新品の神ヤスを使用せず、上下左右方向にサンディングしたので傷が目立たなかったのだと思います。
また、使用した水性ホビーカラーのネイビーブルーは、つや消しに近い半光沢だと感じたので、傷を消す能力が高い気がします。
ただし、傷消し能力は塗料の濃度や吹き付け回数で大きく変わるので、今回の結果は参考程度にしてください。
使用したサフを比較すると、Mr.サーフェイサー500は傷消し能力が高い反面、塗膜の厚さや表面のざらつきが目立ちました。
Mr.プライマーサーフェイサー1000、Mr.ファインサーフェイサー1500、サーフェイサーエヴェの傷消し能力に差は見られませんでした。しかし、表面の滑らかさはMr.プライマーサーフェイサー1000が頭一つ抜けていたので、今後は積極的に活用したいです。ただし、このサフの希釈にはMr.レベリングうすめ液が指定されいます。また、使用後のエアブラシの洗浄が他より若干大変に感じたので、サフを研ぐ場合は他の商品が使いやすいと思います。
今回は比較のために、つや消し塗料を下塗りにした場合の傷消し能力も検証しました。サフより若干傷消しの能力は劣りますが、意外に傷を消せることが分かりました。サフに比べて表面が滑らかで塗膜が薄いので、塗料の食いつきがよいPS樹脂を塗装する際の下塗りは、塗料の方が向いているのでは?という考えが頭をよぎります。
ちなみに以前、光沢塗料とトップコートの傷消し能力の検証も行ったので、よろしければご覧ください。