皆さんこんにちは、ajiroです。
今回は模型用のマスキングテープの比較レビューを行います。
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はじめに
模型用のマスキングテープは各社から販売されています。私は今までタミヤとクレオスと3Mのテープを使ったことがありますが、正直違いは分かりませんでした。
そこで今回は上記3メーカーに加え、100円ショップで売られているものを購入して、様々な観点からマスキングテープの性能を比較・検証してみます。
外観・重さ
今回はタミヤ・クレオス・3M・ダイソー・セリアのマスキングテープを比較します。
幅は18cmのものを購入しました。
タミヤ
重さは28.9gです。
クレオス
重さは31.94gです。
3M
重さは27.71gです。
ダイソー
重さは33.49gです。
このテープのみ全長が20mです。(他は18m)
セリア
重さは31.51gです。
タミヤと3M、クレオスとセリアの外観がよく似ています。
特にクレオスとセリアのテープは全く見分けがつきません。
粘着力
粘着力の比較を行います。
マスキングテープを1cmの幅にカットして、片方の切れ端を平にしたらそこから3㎝の所に線を引きます。
ちなみに使用するガラスカッターマットは自作しました。
カットしたテープを線が引いてあるところまで(3cmだけ)塗料の瓶に貼り付けます。
瓶の重さは75gです。
テープだけを指でつまんで持ち上げ、瓶が落ちるまでの時間を計測します。
この動作を5回繰り返しました。
なお、毎回の計測前にガラスカッターマットと瓶は、エタノールで脱脂しました。
測定結果を下の表に示します。
表. 各社テープの粘着力(秒)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|
タミヤ | 4.4 | 4.7 | 5.3 | 3.0 | 3.6 | 4.20 |
クレオス | 24.4 | 29.4 | 28.1 | 20.1 | 42.6 | 28.92 |
3M | 13.6 | 10.5 | 8.4 | 9.1 | 8.1 | 9.94 |
ダイソー | 29.2 | 34.7 | 52.4 | 36.8 | 47.3 | 40.08 |
セリア | 20.9 | 18.7 | 40.2 | 28.0 | 25.1 | 26.58 |
粘着力はダイソー>クレオス≧セリア>>3M>タミヤでした。
外観が似たテープは接着力も似ているようです。
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透過性
各テープの透過性を確認するために、新聞紙に貼ってみました。
どれも大差はありませんが、クレオスとセリアのテープがよく透けるように見えます。
詳細を確認するため、2枚重ねてみます。
やはりクレオスとセリアのテープは透過性が若干高いようです。
3Mのテープもなかなか優秀に見えます。
糊残り
糊の残りを比較するために、実際に塗装を行います。
初めにプラ板を光沢のある黒色でエアブラシ塗装しました。塗料は水性ホビーカラーの2番です。
1週間乾燥させた後プラ板に7枚のマスキングテープを貼りました。
この上に灰色をエアブラシ塗装した後、30分、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間経過するごとにテープを1枚剥がして表面の状態を観察します。
タミヤ
タミヤのマスキングテープは、塗装してから48時間後に剥がしても糊は残らず、塗装面はきれいな状態でした。
クレオス
クレオスのマスキングテープは、塗装してから48時間後に剥がしても糊は残らず、塗装面はきれいな状態でした。
3M
3Mのマスキングテープは塗装後24時間以降に剥がすと、塗料の境目に若干の糊残りが確認できました。
ダイソー
ダイソーのマスキングテープは、塗装してから48時間後に剥がしても糊は残らず、塗装面はきれいな状態でした。
セリア
セリアのマスキングテープは、塗装してから48時間後に剥がしても糊は残らず、塗装面はきれいな状態でした。
耐熱性
マスキングテープの耐熱性を調べるために、プラ板に水性ホビーカラーのブラックをエアブラシ塗装した後、マスキングテープを貼って食器乾燥機に30分入れてみました。
タミヤ
タミヤのマスキングテープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、はっきりと跡が残ってしまいました。
クレオス
クレオスのマスキングテープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、タミヤほどではありませんが跡が残ってしまいました。
3M
3Mのマスキングテープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、タミヤほどではありませんが跡が残ってしまいました。
ダイソー
ダイソーのマスキングテープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、跡が残ってしまいました。
ただし、他社のマスキングテープと比較すると跡は目立ちません。
セリア
セリアのマスキングテープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、タミヤほどではありませんが跡が残ってしまいました。
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値段・コスパ
各マスキングテープの定価(税抜き)は以下の通りです。
3Mのマスキングテープはオープン価格なので、amazonの参考価格を記載しました。
- タミヤ:220円
- クレオス:180円
- 3M:110円
- ダイソー:100円
- セリア:100円
せっかくなので、テープ1mあたりの値段も計算してみました。ダイソーのテープは全長20mなのでお得です。
- タミヤ:12.2円/m
- クレオス:10円/m
- 3M:6.11円/m
- ダイソー:5円/m
- セリア:5.56円/m
ただし、3Mのマスキングテープは複数セットで売られているものもあります。18mmのテープは7個入りが650円なので、1m当たりの値段は5.16円/mとなりダイソーに匹敵するコストパフォーマンスになります。
まとめ
全ての結果は以下の通りです。
粘着力 | 透過性 | 糊残り | 耐熱性 | コスパ | |
---|---|---|---|---|---|
タミヤ | △ | 〇 | ◎ | × | △ |
クレオス | 〇 | ◎ | ◎ | × | △ |
3M | △ | 〇 | 〇 | × | 〇(◎) |
ダイソー | ◎ | 〇 | ◎ | △ | ◎ |
セリア | 〇 | ◎ | ◎ | × | 〇 |
粘着力について
粘着力はタミヤと3Mは弱め、クレオスとセリアは普通、ダイソーは強めでした。
予想以上に粘着力に差があったので驚きましたが、粘着力が強い方が優れているというわけではないので、使用目的に応じて選択してください。
ちなみに以前に検証を行った際は、クレオスのマスキングテープの結果は42.77秒で今回よりも長い時間瓶を保持することが出来ました。理由は分かりませんが、気温が関係している気がします。(前回は10月、今回は12月)
透過性について
透過性はクレオスとセリアが若干優れていましたが、その他のテープも良く透けていたので、テープを選択する際は他の要素を重要視した方がいいと思います。
糊残りについて
実際に塗装して糊の残りを確認したところ、3M以外は48時間後にテープを剥がしても糊残りはありませんでした。また、今回は水性ホビーカラーを足付けやサフなしで塗装しましたが、すべての場合において塗料の剥がれはありませんでした。
3Mのテープは24時間以降にテープを剥がすと、色の境目に少しだけ跡が残ってしまいました。しかし早めに剥がした場合は糊が残らなかったので、実用上は問題ないと思います。
こちらもクレオスのマスキングテープを使って10月に検証した際は、24時間後に糊の残りが確認できました。粘着力と同様に気温の差が関係しているのでしょうか。
耐熱性について
テープを貼ったプラ板を食器乾燥機に30分入れると、全てのテープで跡が残ってしまいました。テープを貼ったまま乾燥機に入れない方がいいでしょう。
最も粘着力の弱いタミヤの跡が一番目立ち、最も粘着力の強いダイソーの跡が一番目立たなかったのは驚きでした。(テープを間違えたのではないかと不安になったので、もう一度検証しましたが結果は同じでした。)
コスパについて
コスパは3Mと100均の製品が優れていました。
最後に
今回の検証では、どのテープも粘着力以外は性能に大差ありませんでした。
100円ショップのマスキングテープでも問題は見つかりませんでしたが、実際に使ってプラモを作ると細かな違いが分かるかもしれません。(それにしてもクレオスとセリアはよく似ていました。実は同じ物かも?)
ただし、マスキングテープの性能は製造後の経年数や保管環境、使用時の気温・湿度などで大きく変化すると思われるので、結果は参考程度にとどめておいてください。
また、今回は水性ホビーカラーの上にテープを貼って検証を行いました。その他の塗料の上にテープを貼った場合は結果が変わるかもしれません。
今後はプラモを作る際にそれぞれのテープを使用して、各社の細かな特徴を見つけたいです。特に違いが分からなければ、ダイソーのテープをメインに使うことにします。