プラモの泉

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【鉛筆引っかき試験】水性ホビーカラーとMr.カラーの塗膜硬度を様々な条件で測定してみた

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皆さんこんにちは。ajiroです。

今回は模型用塗料の鉛筆ひっかき硬度を、様々な条件で調べてみました。

 

 

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はじめに

ガンプラなどの可動プラモデルを塗装する際は、強い塗膜を作ることが大切です。

塗膜の強度に関する話題は、多くの書籍やネット上で取り上げられており、私は以下の情報を目にしたことがあります。

  • 水性ホビーカラーは塗膜が弱い
  • 薄い塗料を重ねると塗膜が強くなる
  • 塗料は濃い方が塗膜が強くなる
  • 砂吹きをすると塗膜が弱くなる
  • つや消し塗料ははがれやすい
  • サフを吹けば食いつきがよくなる
  • PS樹脂にプラサフは不要
  • 強い溶剤を使うと食いつきがよくなる

これらはどれも尤もらしいのですが、塗膜強度に関する情報は主観や経験で語られることが多く、定量的に測定されることは少ないように感じます。

そこで今回は塗料の種類・濃度・吹き方・つやを変えて、それぞれの塗膜強度を実際に測定してみようと思います。

塗膜の強度は、JIS K-5600-5-4のひっかき硬度(鉛筆法)を参考にして測定します。

ひっかき硬度(鉛筆法)とは

この規格はJIS(日本産業規格)が定めている、塗料に関する規格の一つで、既知の硬さの鉛筆を塗膜に押しつけて塗膜硬度を測定する方法です。

鉛筆を塗面に対して角度45°、加重750gで押し付けて、傷が生じなければ鉛筆の硬さを順次増します。最終的に傷がつかなかった最も硬い鉛筆の硬度を、その塗膜の鉛筆硬度とします。

詳細は公式サイトをご覧ください。検索ボックスに「K5600-5-4」と入力すれば閲覧できます。(閲覧には無料の利用者登録が必要です。)

www.jisc.go.jp

目的と塗装条件

目的

今回は以下の4点を明らかにするために検証を行います。

  1. 希釈率と塗膜硬度の関係
  2. 吹き付け方と塗膜硬度の関係
  3. フラットベースの量と塗膜硬度の関係
  4. 水性ホビーカラーとMr.カラーの塗膜硬度の差
塗装条件

タミヤのプラ板(0.5㎜厚、PS樹脂製)を短冊状に切って、光沢のある面に以下の14通りの条件でエアブラシ塗装しました。

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光沢のある面(上)と無い面(下)
水性ホビーカラー
  1. 塗料:溶剤=1:1.0、エア圧0.15MPa、←基準
  2. 塗料:溶剤=1:0.5、エア圧0.18MPa、←濃い
  3. 塗料:溶剤=1:1.5、エア圧0.08MPa、←薄め
  4. 塗料:溶剤=1:2.0、エア圧0.08MPa、←薄い
  5. 塗料:溶剤=1:1.0、エア圧0.15MPa、←砂吹き
  6. 塗料:溶剤=1:1.0、エア圧0.15MPa、←フラットベース10%添加
  7. 塗料:溶剤=1:1.0、エア圧0.15MPa、←フラットベース20%添加
Mr.カラー
  1. 塗料:溶剤=1:2、エア圧0.10MPa、←基準
  2. 塗料:溶剤=1:1、エア圧0.18MPa、←濃い
  3. 塗料:溶剤=1:3、エア圧0.08MPa、←薄め
  4. 塗料:溶剤=1:4、エア圧0.08MPa、←薄い
  5. 塗料:溶剤=1:2、エア圧0.10MPa、←砂吹き
  6. 塗料:溶剤=1:2、エア圧0.10MPa、←フラットベース10%添加
  7. 塗料:溶剤=1:2、エア圧0.10MPa、←フラットベース20%添加

各条件の1~4を比較することで希釈率と硬度の関係が、1, 5を比較することで吹き方と硬度の関係が、1, 6, 7を比較することでつやと硬度の関係が、同一の数字を比較することで水性ホビーカラーとMr.カラーの硬度の差が分かります。

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塗料は2番のブラックを、溶剤は水性ホビーカラーうすめ液とMr.カラーうすめ液を使用しました。

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条件6と条件7では、水性ホビーカラーは40番、Mr.カラーは30番のフラットベースを添加した塗料を使用しました。

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希釈率はデジタルはかりを使って、重さ(〇g)をベースに計量しました。量(〇ml)をベースにしていないのでご注意ください。

吹き付け時にはプラ板全体を濡らして、ひとつの塗膜を形成するように心がけました。(条件5を除く)

塗料は基本的に2度塗りしましたが、水性ホビーカラーの条件4とMr.カラーの条件3, 4は色が乗りにくいので3度塗りしました。

塗装後に1週間乾燥させたら、それぞれの塗膜硬度を測定します。

測定方法

塗膜硬度はひっかき硬度(鉛筆法)を用いて測定するため、写真のような測定器を使用しました。これは重量が750gで、鉛筆を45°の角度で取り付けることができます。

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鉛筆硬度試験機

製品には水準器が付属していなかったので、シンワ製の水準器を別途取り付けました。

はじめに鉛筆(三菱UNI)を特殊な鉛筆削りで木部だけ削り、芯を露出させます。

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芯研器 KUM AS2M オートマチック KM113

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木部のみを削る

その後、芯の先端を400番の紙やすりで平らに整えます。

これらの動作は鉛筆を使用するたびに行います。

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#400の紙やすり

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平らにした芯

芯を平らにした鉛筆を測定機にセットして、プラ板の上に置きます。この時に水準器を使い、測定器とプラ板が平行になるようにします。

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測定器を0.5mm/s~1mm/sの速度で最低7mm動かして、プラ板の状態を確認します。この作業を2回繰り返して、2回の結果が同じであればその結果を採択します。結果が異なる場合は棄却して、2回の結果が同じになるまで測定を繰り返します。傷がついた場合は一つ柔らかい鉛筆を、傷がつかない場合は一つ硬い鉛筆をセットして、再度測定します。

※傷を確認する際、本来は鉛筆の跡を不活性溶剤(塗膜を侵さない溶剤)で拭きとりますが、水性ホビーカラーを侵さない溶剤が何かわからないので、鉛筆の跡は消しゴムで消してから引っかいた面を観察しました。

プラ板の硬度の測定

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塗装面の硬度を測定する前に、前述の方法でプラ板の硬度を測定しました。

写真では分かりにくいのですが、HBで引っかくと1回目は非常に小さな傷が付き、2回目が傷が付きませんでした。2回の結果が異なっているので、更に測定を2回行います。次は2回とも傷がつかなかったので、プラ板はHBに耐えられるとみなして一つ硬いFの鉛筆で引っかきます。Fの鉛筆で引っかくと2回とも傷がついたので、プラ板の鉛筆硬度はHBとなります。

ベースとなるプラ板はFで傷がつくので、今回の条件で測定可能な塗膜の最大硬度はHBです。

 

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結果

傷の種類について

傷には塗膜にくぼみが生じる塑性変形と、塗膜がとれた引っかき傷の凝集破壊がありますが、これからこの記事では分かりやすいように前者を、後者を剥がれと呼ぶことにします。

以下の結果は、塗膜に傷がつかなかった場合を〇、塗膜に傷がついた場合を△、塗膜が剥がれた場合を×で表しました。一応Fの鉛筆でも引っかいてみましたが、これは下地のプラ板を傷つけるため、塗膜自身の硬度を正確に測定できないと考えられるので参考程度にしてください。

水性ホビーカラー条件1(基準)
  • 塗料:溶剤=1:1
  • エア圧:0.15MPa
  • 吹き付け回数:2回

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水性ホビーカラー:基準
  B HB F(参考)
1セット目 〇〇 〇〇 △×
2セット目 - - △×
3セット目 - - △×
4セット目 - - ××

 

水性ホビーカラーの基準となる塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、塗料が剥がれてしまいました。

水性ホビーカラー条件2(濃い)
  • 塗料:溶剤=1:0.5
  • エア圧:0.18MPa
  • 吹き付け回数:2回

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水性ホビーカラー:濃い
  B HB F(参考)
1セット目 ×〇 ×△ ××
2セット目 〇〇 〇△ -
3セット目 - △△ -

 

濃い水性ホビーカラーで塗装した際の塗膜硬度はBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、塗料が剥がれてしまいました。

水性ホビーカラー条件3(薄め)
  • 塗料:溶剤=1:1.5
  • エア圧:0.1MPa
  • 吹き付け回数:2回

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水性ホビーカラー:薄め
  HB F(参考)
1セット目 △〇 △△
2セット目 〇△ -
3セット目 〇〇 -

 

薄めの水性ホビーカラーで塗装した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

水性ホビーカラー条件4(薄い)
  • 塗料:溶剤=1:2
  • エア圧:0.08MPa
  • 吹き付け回数:3回

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水性ホビーカラー:薄い
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 △△

 

薄い水性ホビーカラーで塗装した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

水性ホビーカラー条件5(砂吹き)
  • 塗料:溶剤=1:1
  • エア圧:0.15MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • 砂吹き

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水性ホビーカラー:砂吹き
  B HB F(参考)
1セット目 〇〇 〇△ 〇△
2セット目 - 〇〇 △△

 

水性ホビーカラーを砂吹きした際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

水性ホビーカラー条件6(半光沢)
  • 塗料:溶剤=1:1
  • エア圧:0.15MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • フラットベース10%添加

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水性ホビーカラー:半光沢
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 △△

 

水性ホビーカラーにH40フラットベースを10%添加した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

水性ホビーカラー条件7(つや消し)
  • 塗料:溶剤=1:1
  • エア圧:0.15MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • フラットベース20%添加

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水性ホビーカラー:つや消し
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 ×△
2セット目 - △×
3セット目 - ××

 

水性ホビーカラーにH40フラットベースを20%添加した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、塗料が剥がれてしまいました。

Mr.カラー条件1(基準)
  • 塗料:溶剤=1:2
  • エア圧:0.1MPa
  • 吹き付け回数:2回

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Mr.カラー:基準
  HB F(参考)
1セット目 〇△ △×
2セット目 △〇 ×△
3セット目 〇△ △×
4セット目 〇△ -
5セット目 〇〇 -

 

Mr.カラーの基準となる塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいてみましたが、測定のスペースが足りず結果は分かりませんでした。

Mr.カラー条件2(濃い)
  • 塗料:溶剤=1:1
  • エア圧:0.15MPa
  • 吹き付け回数:2回

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Mr.カラー:濃い
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 ×△
2セット目 - △△

 

濃いMr.カラーで塗装した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

Mr.カラー条件3(薄め)
  • 塗料:溶剤=1:3
  • エア圧:0.08MPa
  • 吹き付け回数:3回

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Mr.カラー:薄め
  HB F(参考)
1セット目 △〇 △△
2セット目 △〇 -
3セット目 〇△ -
4セット目 〇△ -
5セット目 〇〇 -

 

薄めのMr.カラーで塗装した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

Mr.カラー条件4(薄い)
  • 塗料:溶剤=1:4
  • エア圧:0.08MPa
  • 吹き付け回数:3回

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Mr.カラー:薄い
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 △△

 

薄いMr.カラーで塗装した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。(写真をよく見たらHBの2本目にうっすら傷が見えますね。Fで引っかいても塗料が剥がれていないので、多分硬度はHBで大丈夫でしょう。多分…)

Mr.カラー条件5(砂吹き)
  • 塗料:溶剤=1:2
  • エア圧:0.1MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • 砂吹き

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Mr.カラー:砂吹き
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 ××

 

Mr.カラーを砂吹きした際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、塗料が剥がれてしまいました。

Mr.カラー条件6(半光沢)
  • 塗料:溶剤=1:2
  • エア圧:0.1MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • フラットベース10%添加

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Mr.カラー:半光沢
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 △×
2セット目 - ×△
3セット目 - △×
4セット目 - ×△
5セット目 - △×

 

Mr.カラーに30番のフラットベースを10%添加した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいてみましたが、測定のスペースが足りず結果は分かりませんでした。

Mr.カラー条件7(つや消し)
  • 塗料:溶剤=1:2
  • エア圧:0.1MPa
  • 吹き付け回数:2回
  • フラットベース20%添加

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Mr.カラー:つや消し
  HB F(参考)
1セット目 〇〇 △〇
2セット目 - △△

 

Mr.カラーに30番のフラットベースを20%添加した際の塗膜硬度はHBでした。参考のためFの鉛筆で引っかいたところ、傷が生じました。

 

結果まとめ(水性ホビーカラー)
  希釈率 エア圧 塗装回数 備考 硬度 F(参考)
1 1:1 0.15 2 基準 HB 剥がれ
2 1:0.5 0.18 2 濃い B 剥がれ
3 1:1.5 0.1 2 薄め HB
4 1:2 0.08 3 薄い HB
5 1:1 0.15 2 砂吹き HB
6 1:1 0.15 2 半光沢 HB
7 1:1 0.15 2 つや消し HB 剥がれ

 

結果まとめ(Mr.カラー)
  希釈率 エア圧 塗装回数 備考 硬度 F(参考)
1 1:2 0.1 2 基準 HB 不明(※)
2 1:1 0.15 2 濃い HB
3 1:3 0.08 3 薄め HB
4 1:4 0.08 3 薄い HB
5 1:2 0.1 2 砂吹き HB 剥がれ
6 1:2 0.1 2 半光沢 HB 不明(※)
7 1:2 0.1 2 つや消し HB

※条件1と6は測定のスペースが足りず結果は不明でした。

 

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まとめ

今回は水性ホビーカラーとMr.カラーを様々な条件で吹き付けて、塗膜硬度を測定しました。

その結果、一つの場合を除いて塗膜硬度はPS樹脂と同等のHBでした。また、参考値ではありますが硬度Fで引っかいた場合においても、条件によっては塗料の剥がれは生じませんでした。

濃度について

水性ホビーカラーで塗装した場合は、薄めの塗料の方が若干強い塗膜を形成できるように感じました。しかし今回の検討では、それが濃度の差によるものなのか、乾燥時間が足りないだけなのかは分かりませんでした。

Mr.カラーで塗装した場合は、濃度と塗膜強度の関係を見出すことはできませんでした。

吹き方について

塗装の対象からエアブラシを離して、半乾きの塗料を吹き付ける砂吹きを行うと、塗料の食いつきが悪くなると予想していましたが、HBの鉛筆で引っかいても塗料は剥がれませんでした。砂吹きをしても食いつきが大幅に低下することはなさそうです。

参考値ではありますが、硬度Fの鉛筆で引っかいた場合、Mr.カラーで塗装すると塗料が剥がれてしまいましたが、水性ホビーカラーで塗装した場合は剥がれは生じませんでした。これは、水性ホビーカラーは乾燥が遅いため、砂吹きしても塗料同士が結合してひとつの塗膜が形成されることが原因だと思います。

つやについて

フラットベースの量が増えると、塗膜硬度は落ちると予想していましたが、こちらも顕著な硬度低下は見られませんでした。フラットベースの添加量が20%程度なら問題はなさそうです。

しかし、つや消しの塗膜をHBの鉛筆で引っかいた際には、塗膜に傷は生じませんでしたが、表面の質感が若干変わってしまいました。つや消しの塗膜は極力接触させない方がいいと思います。

塗料の種類について

水性ホビーカラーよりMr.カラーの方が塗膜硬度が高いと予想していましたが、今回の条件では明らかな違いは確認できませんでした。水性ホビーカラーでも1週間程度乾燥させれば、Mr.カラーに匹敵する塗膜硬度を得ることが出来そうです。

ただし、塗料の食いつきは若干Mr.カラーの方が強いように感じました。

最後に

以上の結果から、PS樹脂に水性ホビーカラーやMr.カラーで塗装する際は塗装方法にそこまで気を使わなくても、強力な塗膜が作れることが分かりました。

しかしながら、今回の検討は平面上の塗膜硬度を測定して行ったものです。実際に塗料が剥がれるのは、パーツのエッジや関節内部など面積が小さく強い力が掛かる部分です。従って、塗装の際にはあらかじめ表面をペーパーで荒らして足付けしたり、パーツ同士の隙間を広げるなどの工夫はした方がよいでしょう。

 

(プラが傷つくFの鉛筆で引っかかない限り、どの塗料も剥がれなかったのは予想外でした。当初の予定では食いつきが弱い条件に着目して、食いつきをよくする方法を探るために各種プラサフや、他の溶剤を準備をしていたのですが企画倒れです。金属の上に塗装したり、乾燥時間を短くしたり、食いつきの弱い絵具を使えば検討出来そうですが、実際のプラモデルに塗装する環境と違っていては意味が無い気がします。エッジの塗膜硬度を比較するのは難しそうなので悩ましいです。塗膜が強いのは喜ばしい事なので、別にいいけど…)