プラモの泉

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【7種類を比較・検証】水性ホビーカラーに適したツールクリーナーを考える

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皆さんこんにちは、ajiroです。

今回は水性ホビーカラーに適したツールクリーナーについて検討したので、その結果をお知らせします。

 

 

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はじめに

私はラッカー系塗料の臭いが苦手なので、プラモデルを作る時は基本的に水性ホビーカラーで塗装します。

水性ホビーカラーを落とす際は、何となくマジックリンかイソプロピルアルコールを使用していましたが、他のクリーナーと比較したことはありませんでした。

そこで今回は、7種類の溶剤をいくつかの観点で比較して、水性ホビーカラーに適したクリーナーを検討したいと思います。

使用する溶剤

今回検証に使用する溶剤は以下の7点です。

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  1. Mr.ツールクリーナー改
  2. ツールクリーナーNEXT
  3. ガイアカラー薄め液
  4. アクリジョンツールクリーナー
  5. 水性ホビーカラーうすめ液
  6. イソプロピルアルコール(※)
  7. マジックリン

※ガソリンタンク水抜き剤の成分はイロプロピルアルコール(イソプロパノール)です。これは安価でツールクリーナーより臭いが弱く、水性ホビーカラーうすめ液より塗料をよく溶かすので、塗装用具の洗浄やパーツの脱脂に使用しています。

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洗浄力

はじめに洗浄力の比較を行います。

ステンレス製の釘を水性ホビーカラーの赤色(H-3)で塗装して、1時間ほど乾燥させます。

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釘を溶剤が入った瓶の中に入れて、30秒後と5分後に塗料がどれくらい落ちるのかを観察します。

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30秒後

溶剤に30秒漬けた結果は以下の通りです。

⑦のマジックリンと④のアクリジョンツールクリーナーが優秀です。

①のMr.ツールクリーナーと②のツールクリーナーNEXTもなかなかいい感じです。

⑤の水性ホビーカラーうすめ液ほとんど塗料を落とせていません。

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釘を30秒漬けた後の溶剤の色を確認します。

Mr.ツールクリーナーの色が一番濃いですが、それ以外は洗浄力と色の濃さは比例しているようです。

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5分後

溶剤に5分漬けた結果は以下の通りです。

30秒の時と傾向は変わっていません。

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溶剤の色も30秒漬けた後とほぼ同じです。

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洗浄力は⑦マジックリン>④アクリジョンツールクリーナー>①Mr.ツールクリーナー>②ツールクリーナーMEXT>③ガイアカラー薄め液>⑥イソプロピルアルコール>⑤水性ホビーカラーうすめ液の順でした。

Mr.ツールクリーナーより、アクリジョンツールクリーナーの方が洗浄力が強いのは意外でした。

 

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臭い

溶剤の臭いを比較します。

無臭を0点、Mr.ツールクリーナーの臭いを10点として、全ての溶剤の臭いに点数をつけました。

  1. Mr.ツールクリーナー:10点
  2. ツールクリーナーNEXT:4点
  3. ガイアカラー薄め液:8点
  4. アクリジョンツールクリーナー:6点
  5. 水性ホビーカラーうすめ液:3点
  6. イソプロピルアルコール:2点
  7. マジックリン:1点

私は3点以下は問題無し、4点~6点は臭いが気になるが我慢できる、7点以上はあまり使いたくないと感じました。臭いの感じ方には個人差があるので、参考程度にしてください。

プラスチックへのダメージ

プラスチックへのダメージを調べるため、各種溶剤にランナーを漬け込んで6時間後の状態を確認しました。

ランナーはプラモデルに広く使われる、PS(ポリスチレン)樹脂製です。

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結果

①のMr.ツールクリーナーに漬けたランナーは完全に溶けてしまいました。

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②のツールクリーナーNEXTに漬けたランナーは、完全には溶けていませんでしたが、形は大きく変わっていました。

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③~⑦に漬けたランナーの形に変化はありませんでした。

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③のガイアカラー薄め液に漬けたランナーは、表面が若干柔らかくなっているように感じました。

④のアクリジョンツールクリーナーに漬けたランナーは、表面が少し溶けており爪を立てると跡が残りました。

⑤の水性ホビーカラーうすめ液、⑥のイソプロピルアルコール、⑦のマジックリンに漬けたランナーは全く変化していませんでした。

パッキンへのダメージ

各種溶剤に13.5㎜のゴムパッキンを漬け込んで、時間ごとの直径を計測したので結果を表1に示します。詳細は以下の記事をご覧ください。

ajiromokei.com

表1. 浸漬時間とパッキンの直径 (mm)

溶剤名 10分 30分 1時間 2時間 3時間 6時間 12時間
Mr.ツールクリーナー 14.5 15.5 16.0 16.0 16.5 17.0 17.5
ツールクリーナーNEXT 14.0 14.5 15.0 15.5 15.5 15.5 15.5
ガイアカラー薄め液 13.5 14.0 14.0 14.0 14.5 15.0 15.0
アクリジョンクリーナー 14.0 14.0 14.0 14.5 14.5 15.5 15.5
水性ホビーカラーうすめ液 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5+
イソプロピルアルコール 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5+
マジックリン 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5 13.5

パッキンの直径を変化させた溶剤のみを抜き出してグラフを作りました。横軸は浸漬時間、縦軸はパッキン径の増分です。(対数関数のトレンドラインを引きました。)

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各溶剤とパッキン径の増分

ゴムパッキンに与えるダメージは、①Mr.ツールクリーナー>>②ツールクリーナーNEXT>④アクリジョンツールクリーナー>③ガイアカラー薄め液の順番でした。

コストパフォーマンス

コスパを知るために、1ml当たりの値段を計算したので表2に示します。

模型用の溶剤は最大容量の定価を、イソプロピルアルコールとマジックリンは近所のホームセンターの販売価格を記載しました。

表2. 溶剤の量と価格の関係

溶剤名 価格(税込み) 1ml当たりの値段
Mr.ツールクリーナー 400ml 880円 2.20円
ツールクリーナーNEXT 1000ml 1800円 1.80円
ガイアカラー薄め液 1000ml 1540円 1.54円
アクリジョンクリーナー 250ml 770円 3.08円
水性ホビーカラーうすめ液 400ml 660円 1.65円
イソプロピルアルコール 180ml 108円 0.60円
マジックリン 500ml 283円 0.57円

イソプロピルアルコールとマジックリンのコスパは最高ですね。

アクリジョンツールクリーナーは最大量が250mlなので、あまりコスパは良くありません。

 

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順位と総評

各溶剤のそれぞれの項目での順位を下の表3に示します。洗浄力とコスパは優れている方を高順位、臭いとダメージは少ない方を高順位としています。

表3. 各項目の順位

溶剤名 洗浄力 臭い プラダメージ パッキンダメージ コスパ
Mr.ツールクリーナー 3位 7位 7位 7位 6位
ツールクリーナーNEXT 4位 4位 6位 6位 5位
ガイアカラー薄め液 5位 6位 4位 4位 3位
アクリジョンクリーナー 2位 5位 5位 5位 7位
水性ホビーカラーうすめ液 7位 3位 1位 2位 4位
イソプロピルアルコール 6位 2位 1位 2位 2位
マジックリン 1位 1位 1位 1位 1位

各溶剤を使った感想をお伝えします。

Mr.ツールクリーナー

最強の洗浄力だと予想していましたが、一番ではありませんでした。プラやパッキンへのダメージが高く、臭いもきついので使用の際には注意が必要だと思いました。

ツールクリーナーNEXT

Mr.ツールクリーナーと比べると洗浄力は一歩劣りますが、プラやパッキンへのダメージが少なく、臭いは大幅に軽減されている溶剤です。水性ホビーカラーに対して十分な洗浄力があると感じたので、Mr.ツールクリーナーより使えそうです。

ガイアカラー薄め液

模型用溶剤の中ではコスパがいいので、洗浄力が高ければ水性塗料の洗浄に使えるのではないかと考えていました。しかし、臭いがきつい割に洗浄力が高くないことが分かったので、ラッカー系塗料の希釈以外には使わない方がいいようです。

アクリジョンツールクリーナー

アクリジョンツールクリーナーは、クレオス公式よりMr.カラーや水性ホビーカラーの洗浄に使えることがアナウンスされています。

今回の検証で、この溶剤はMr.ツールクリーナーより水性ホビーカラーを洗浄する力が高く、臭いやダメージはマイルドであることが分かったので、これから活躍してくれそうです。

ただし、Mr.ツールクリーナーほどではないといえ、プラやパッキンへのダメージや臭いがあるということは覚えておいた方がいいでしょう。特にこの溶剤の臭気は独特なので、人によっては苦手に感じるかもしれません。

また、この溶剤は大きな容器で販売されていないので、コスパは良くないというデメリットもあります。

水性ホビーカラーうすめ液

水性ホビーカラーうすめ液はいろいろマイルドですが、肝心の洗浄力は低めです。おとなしく水性ホビーカラーの希釈だけに使った方がよいでしょう。

イソプロピルアルコール

私は今まで、この溶剤でエアブラシの洗浄を行ってきました。今回の検証で他の溶剤より洗浄力が高くないことが分かりましたが、実際に使用して洗浄力に不満を感じたことはありません。

この溶剤は臭いが少なくコスパもいいので、洗浄以外の用途にも使えそうです。

マジックリン

今回の検証の結果、マジックリンは全項目で一番の成績でした。

水性塗料の洗浄はマジックリンで決まり!と言いたいところですが、憶えておきたい特徴が二つあります。

一つ目はマジックリンはアルカリ性なので、アルミ・真鍮・銅にダメージを与える可能性があるということ、二つ目は洗浄後はすすぎが必要だということです。その為私は、マジックリンをエアブラシの洗浄には使わないようにしています。詳細は以下の記事をご覧ください。

ajiromokei.com

まとめ

今回は水性ホビーカラーに適したツールクリーナーを見つけるため、様々な観点で7種類の溶剤を比較しました。

人によって重要視するポイントが違うと思うので、最適な溶剤を決めることはできませんが、今回の結果を通して自分に合ったツールクリーナーを見つけていただけると幸いです。

最後に今回の検証結果を基に、私がこれから使いたい溶剤を使用目的ごとに発表します。ちなみに私が最も重要視する項目は臭いの少なさで、その次は洗浄力です。

プラモの塗装をやり直す場合

塗装をやり直すため、プラスチックについた塗料を落とす場合は、マジックリンを使いたいです。洗浄力が最高でコスパがよく、プラへのダメージが無いからです。実際に使ってみましたが、マジックリンを水で薄めても十分な洗浄能力がありました。

筆を洗う場合

筆を洗う場合もマジックリンを使用することにします。

エアブラシを洗浄する場合

エアブラシを洗浄する場合は、すぐに次の色を塗装する場合と塗装しない場合によって溶剤を使い分けることにします。

すぐに次の色をエアブラシに入れる場合、洗浄にはイソプロピルアルコールを使用したいです。この溶剤は洗浄力は高くはありませんが、次に塗装する色に影響を及ぼさない程度の洗浄は簡単に行えます。イソプロピルアルコールの、臭いが少ない・コスパがいい・パッキンや金属にダメージを与えない・水性塗料に混ざっても悪影響が無いというメリットを最大限に生かせると思います。

エアブラシを使い終えてその後塗装しないのであれば、洗浄にはイソプロピルアルコールとアクリジョンツールクリーナーの両方を使うことにします。まずイソプロピルアルコールでカップ中やノズル周りをきれいにして、その後アクリジョンツールクリーナーでエアブラシ内部の汚れを洗浄します。アクリジョンツールクリーナーは洗浄力は優れていますが、臭いが強めでコスパが悪いのでなるべく利用は控えたいと思うからです。またこの溶剤は揮発性が高くないので、パッキンを守るために洗浄後はノズルを押さえてエアを逆流させて、溶剤を乾燥させることを忘れないようにしたいです。

それでは皆さん、良い水性塗装ライフを!