皆さんこんにちは、ajiroです。
アルカリ性洗剤のマジックリンは、どの金属をどの程度傷めるのか実験したので、その結果をお知らせします。
スポンサーリンク
マジックリンとは
マジックリンは花王から販売されている、換気扇やガスレンジなどの油汚れを落とす台所用のアルカリ性洗剤です。
マジックリンはプラスチックを傷めずに、水性塗料を簡単に落とすことができるので、私のような水性モデラ―の強い味方です。
一方で、マジックリンのようなアルカリ性の液体は、一部の金属を傷めることが知られています。
実際にマジックリンの注意書きには、以下のような記載があります。
- 銅・真鍮・亜鉛鋼板製品には使えない
- アルミ製品は変色することがあるので、目立たないところで試す
模型用具には金属製のものが多いので、どの金属にどれくらい影響があるのかを実験してみようと思います。
なお、今回の実験は以下のサイトを参考にして行いました。
実験方法
今回の実験では5種類の金属を比較します。
- ステンレス
- 真鍮
- 鉄
- 銅
- アルミ
アルミは手頃な製品が無かったので、アルミホイルを使用しました。
これらの金属をマジックリンに漬け込んで、30分、1時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間後の変化の様子を観察します。
スポンサーリンク
実験結果
マジックリンに漬けてからすぐに、アルミホイルから細かい泡が発生しました。
泡が発生する勢いは時間とともに強くなりましたが、およそ1時間後には止まりました。
30分後
※右側が漬け込んだ金属、左側が比較用の金属です。
アルミホイルの色が少し変わりました。
その他の金属に変化は見られません。
1時間後
アルミホイルの色の変化が大きくなりました。
真鍮の色が少し白っぽくなりました。
3時間後
真鍮の色が白くなりました。
銅の色も変わり始めました。
アルミホイルの状態は、1時間の時から変わらないように見えます。
6時間後
銅の色の変化が大きくなりました。
12時間後
真鍮と銅の色の変化がさらに大きくなりました。
鉄とステンレスは相変わらず変化なしです。
24時間後
銅の色がさらに黒ずんだように見えます。
およそ30時間後
およそ30時間後にカップを見ると、銅と真鍮を漬け込んだマジックリンの色が青っぽく変化していることに気づきました。
溶け出した金属成分が影響しているのでしょうか?
48時間後
真鍮が青っぽくなりました。
マジックリンの色が移ったようです。
銅と真鍮を漬けているマジックリンの色が、更に青っぽくなりました。
アルミを漬けているマジックリンの色は、薄くなったような気がします。
72時間後
48時間の時と比べて、大きな変化は見受けられません。
マジックリンの色は48時間の時より、更に変化しました。
まとめ
今回の実験では、マジックリンに5種類の金属を漬け込んで、時間による変化を観察しました。結果は以下の通りです。
- 変化があった金属 → 真鍮・銅・アルミ
- 変化がなかった金属 → 鉄・ステンレス
特にアルミは漬けてからすぐに反応が現れたので、使用する際には注意が必要です。
一方で、真鍮と銅は30分以上漬け込まないと変化が現れなかったので、使用は短時間で留めて、使用後すぐにマジックリンを洗い流すのであれば、ダメージは少ないと思います。
しかしながら、マジックリンの注意書きには銅と真鍮には使用しないように記載されているので、なるべく使わない方が無難に感じました。
また、銅と真鍮を漬けていたマジックリンの色が、大きく変化したことも分かりました。
このことからマジックリンが銅と真鍮に、何らかの影響を与えるものだと推測できます。
模型界隈でマジックリンは、水性塗料の洗浄に使用できることで有名です。
プラモデルの塗装をやり直す時には力を発揮するマジックリンですが、今回の実験結果から、真鍮・銅・アルミ製のエアブラシの洗浄には使用しない方がいいと思いました。
特にアルミ製のエアブラシには、マジックリンを使わない方が賢明です。
実際はエアブラシにメッキが施されているので、すぐに影響を及ぼさないかもしれませんが、エアブラシの先端は非常に精密なので、ごくわずかな変化でも影響が起きかねません。
また、マジックリンは溶剤に比べて揮発性が弱いので、すすぎが不十分だとネジやパッキンの隙間にマジックリンが長時間留まることも考えられます。
従って、エアブラシの洗浄にマジックリンを使うことは、やはりお勧めできません。